Fox SportsのMLBアナリスト、ベン・バーランダー氏はサイ・ヤング賞を2度獲得した豪腕投手、ジャスティン・バーランダー(現アストロズ)の弟で、自身もデトロイト・タイガースからドラフト指名されプロ入りした外野手だ。残念ながらメジャーに上がることは出来ず2017年を最後にプレーヤーとしてのキャリアは終わったが、2021年よりFox SportのMLBアナリストとして健筆を振るっている。
彼は自身が大学2年まで二刀流を貫き、結果として投手を断念し、打者としてプロ入りした経歴があるだけに、二刀流でメジャーレベルでプレーする大谷選手の凄さ、大変さが身にしみて理解できるようだ。
そのベン・バーランダーが大谷選手の二刀流を賛辞する記事を公開したので日本語訳を紹介したい。
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Shohei Ohtani’s hitting and pitching exploits are truly incredible
ショーヘイ・オータニの投打の偉業は本当に信じがたい
ショーヘイ・オータニはメジャーリーグで過去100年以上の間、誰も成し遂げていないことをやっている。
最後にやったのは、ベーブ・ルースだ。
オータニは現在のエンゼルスで最高のバッターの一人だ。
オータニは今シーズンのエンゼルスで最高のピッチャーであり続けている。
ショーヘイ・オータニはあらゆるスポーツ界の話題となっている。
でもそれはなぜ?何がそんなにスペシャルなの?私が説明しよう。
高校を出た時、私は大学でも野球を続けるためにヴァージニアにあるオールド・ドミニオン大学とサインした。そことサインした大きな理由は私に二刀流を続けさせてくれたからだ。
野手として出場した。同時にピッチャーとしても出た。
すぐに自分が異端児であることが明らかになった。自分以外に二刀流をやるものは誰もいなかった。ディビジョン・1(アメリカの大学一部リーグ)全体でも二刀流をやるものはほとんどいなかった。
大学およびプロのレベルでは投手と野手の練習は感覚的にはとても似通っているが、この2つのグループはほとんど別れて練習する。それが困難の始まりだ。私は自分の練習時間をどちらのグループにどう分配するか選ばなくてはならなかった。
その日ジムに行くのはどっちのグループ?いつバッティング練習すればいいんだ?いつ投球練習すればいいんだ?投手と一緒にランニングすべき?野手と練習するときは内野と外野、どっちに行けばいい?それとも投手陣とフィールディングの練習に参加すべき?
これらのことが次から次に起こる。投手がブルペンで練習すると野手はバッティング練習を始める。
私に関して言えば、同じチームで投手と野手と両方やろうとすれば、無駄を省き自分に一番必要と思う練習を選りすぐってやらなくてはならないと気づいた。
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自分が一番やるべきと思うことをやろうとすれば、練習量は2倍になり、あちこちを走り回るはめになった。
結局投打とも私は極めて平凡な成績に落ち込み、どちらの道でもうまく行っていなかった。大学での最初の2年間、私のキャリアは悲惨だった。
2年生が終わった時、ヘッドコーチと膝を突き合わせて、どちらか一方に決めなくてはならないという結論に至った。コーチは言った。「このままでは投手でも野手でもドラフトにはかからないよ。どちらかを選んですべての時間を一方に集中すべきだ」
私はコーチの言う通りにした。野手として専念することに決めたのだ。その夏、打力向上にすべてを注ぎ込み3年が始まると全ての時間を野手に集中した。
3年時は私のキャリアで最高の年になり、オール・アメリカンの外野手になった。
大学レベルでさえ二刀流で良い成績を上げるのはほとんど不可能だ。それをエリートレベルの野球界、つまり世界最高のレベルでやってのける、それよりすごいことを私は想像できない。
私はドラフト会議でデトロイト・タイガースに指名され、それから長くプロのベースボールの世界に身を置いた。
正直に言うと、プロのレベルでどのように二刀流をやっていくつもりなのか理解できなかった。どのように時間を分配すれば必要な練習を全てこなせるのかも想像もできなかった。一人のプロの野手としてプレーすること、一人のプロの投手として投げること、どちらも掛け持ちできるような仕事ではない。両方をフルタイムでやる?頭がおかしいんじゃないか?
一年中、投手と打者とを行ったり来たりする。常に投打どちらかの技術を追求し、更に技術の向上を目指す。
オータニが野球の最高レベルでやっていることは文字通り不可能なことに思える。オータニを見る前なら、投手をやりながら打者としてでもオールスターレベルになるなんて不可能だと断言しただろう。
オータニがアメリカでプレーしようとして各チームの獲得合戦になった時、彼は「日本のベーブ・ルース」と称されていたが、その言葉に嘘はなかった。
もしオータニがアメリカで野球を始めていたら、現在の彼は絶対になかったと思う。もし日本のプロ野球を経ずにアメリカに直接来ていたらやはり現在の彼はなかったと思う。
北海道日本ハムファイターズでプレーしているときに二刀流のスーパースターになったからこそ、アメリカでも二刀流を続けられるチャンスを得たのだ。アメリカのプロのシステムでは、投手か野手かどちらかに専念することを迫られた可能性が高い。
メジャーに来るやいなや、大谷は二刀流どちらでもハイレベルでプレーできることを証明した。2018年、彼はア・リーグの新人王になった。
残念ながらケガのために彼は停滞し、マウンドでの活躍は制限され「本当に彼は両方できるの?本当にやらせるべきなの?」と野球ファンに疑問を抱かせた。投手として投げさせてケガをさせるにはバッターとして価値がありすぎる。打者で打たせてケガをさせるには投手として価値がありすぎる。
でも今シーズンのオータニは最高バージョンだ。先発投手として100マイルの球を投げ、打者としてはラインナップの中核に座り、爆発的打球を飛ばす。
今我々が目にしているものはスペシャルなものだ。彼がフィールドに出てきたらすべてが見逃せない。オータニがいる限り彼が巻き起こすことを楽しもう。
いつまで大谷の活躍を見ていられるかは誰にもわからないが、それが長く続くことを祈っている。いつか自分の子や孫に、オータニのプレーを見たことを話して聞かせるだろう。
今年、オータニは自分がリーグでも最高の一人であることを証明している。メジャーでホームラン数は3位タイ(10本)、OPSは .877を記録している。マウンドではヒューストン・アストロズ戦において今年最高の投球を見せ、5試合での防御率は2.10を誇っている。
成功の背後にある努力は誰にも想像できないはずだ。
だからこそ彼がマウンドに上がるたび、打席でボールを粉砕するたび、私は心が踊るのだ。なぜなら私にはここに来るまで彼の野球人生がどれほどハードなものだったかがわかるからだ。
もちろんオータニは凡人の夢見る才能をはるかに超える才能に恵まれている。しかしそこに注ぎ込まれた努力と準備の膨大さこそ称賛されるべきものだ。
長きに渡って人の倍の努力をしてきたはずだ。長年、投打どちらか選べば最高の選手になれるし、ケガすることもない、選手寿命も伸びると言われ続けてきた。
彼は耳を傾けない。
今年、彼はそれらの言葉が間違っていることを証明してみせただけでなく、野球というスポーツをさらなる高みにまで登らせた。それほど彼は心を踊らされる存在なのだから。
オータニがグラウンドに出てくるたび、私はゾクゾクさせられる。
多くの人にとって大谷がやっていることは夢の実現だ。そして彼は夢を見せるために我々の目の前でプレーしている。
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素晴らしい記事ですね。
今年の大谷の躍動を振り返りつつ読んでいると、
共感と、すこし感動さえ覚えます。
訳して掲載してくださってありがとうございます。
大谷の活躍をすごい才能だすごいパワーだと称える声を聞くたび、
それらはもちろんすごいけれど
それを活かす為の技術を習得する努力があってこその今の活躍だと思っています。
大谷は日本時代のインタビューで
「自分に才能が有るとは全く思わないけど、
強いて言えば努力の才能はあるのかも知れない。
好きな事についての努力を辛いと思う事は無かった」と言っていました。
そこが大谷の一番のすごさなのでしょう。
まだまだ進化してくれるのが楽しみです。
個人的には投手としては来年以降にもっと驚かせてくれると期待しています。
余談ですが
今日の11号HRも凄いパワーと称賛されていますが、
どちらかというと技術の高さだと思っています。
大谷=パワーと片付けられてしまうのは少し寂しいです。
翻訳ありがとうございます。
勝手なお願いですが、fox sports をYouTube
で字幕付きでUPして頂けたら、coolだと思います。