世界に恥をさらした日本のメディア
日本に帰国中の大谷選手は日本時間11月15日午後、東京・千代田区の日本記者クラブで会見を行った。シーズン中はなかなか本人の発言が伝わってこないので、歴史的なシーズンを振り返って大谷が何を語るのか私も楽しみにしていた。もちろんアメリカにも中継された。
しかし私の期待は無残にも打ち砕かれた。約1時間の会見は肝心な事に触れる質問はわずかで、くだらない質問のオンパレード。日本記者クラブってこんなにもバカの集まりなのかと唖然とした。日本の恥を世界にさらしたようなものだ。大谷選手の生の声を聞けるせっかくのチャンスをこんなグダグダの会見でつぶしたのか思うと残念で仕方がない。
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なぜか司会者が最初に質問し、グダグダがスタート
最初に司会者が質問の口火を切ったことも驚きだったが、その質問がまた酷かった。自分で「時間が限られているので質問は1つにしてください」って言いながら、1分半に渡ってこれまでのメジャー挑戦の経緯を長々と語り始め、大谷に「質問が長すぎて、、、何でしたっけ?」と言われる始末。誰も記者の感想なんて聞きたくないよ。
そもそも司会者にはちゃんと仕切れる人を用意して、質問者とは分けるべきだろう。その程度のこともできない記者クラブってやっぱりバカなのか?
最初に「社名だけ名乗り、所属は言わないでください。各社質問は一つまで」と釘を刺されているにもかかわらず、「読売テレビのミヤネ屋です」とか言うし、1社1質問のルールを破る者が続出。コンプライアンス意識に欠ける記者が多いことに驚いた。司会者はルール違反の質問者がいても注意もしない。また全ての記者が冒頭に「このような機会をありがとうございます」「活躍に敬意を表します」とか社交辞令を入れてくるのも時間のムダでしかない。
延々とくだらない質問が続く
- 日本に帰ってきて最初に何を食べましたか? 『隔離期間が明けたばかりなので自宅でしか食べてないです』
- 家庭を持つタイミングはいつですか? 『考えてないです』
とワイドショーみたいな低レベル質問が続く。
- MVPの発表はどこで聞くつもりですか? 『わかりません』
そんなどうでもいいこと質問する意味があるのか?
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- 米国に住む高額納税者として日本の税制・税金について気づいたことは? 『LAも税金が高いので・・・消費しないのでたまる一方です』
よくもまあこんな野球と関係のないことを聞けるものだと開いた口が塞がらなかった。別に大谷は税法の勉強をしにアメリカに行っているわけではない。この質問をしたのは「エヌピー通信社」という税務・経理関係の新聞を出している会社らしいが、なんでそんな会社の記者が大谷の記者会見に紛れ込んでるんだよ!?
- 2023年のWBCに栗山監督の名も上がってますが招集されたらどうしますか? 『それは招集されてから』
2年も先の話をされても困るだろ。そもそもWBCなんてアメリカではメジャーを目指す選手の品評会くらいの位置づけで、チームの屋台骨を背負う超一流の選手には球団も出場許可を出さない。大谷はすでに「出たいんだったら出ても良いよ」と球団が放任できるレベルの選手ではない。ましてや細心の疲労管理が必要な二刀流だ。出場を許可してケガでもされたらGMのクビが飛ぶ。だからWBC出場は100%許可が出ない。その程度のことも知らずに来ているのか?
せめて「将来エンゼルスの日本での公式戦開催の話が持ち上がったら、プッシュしたり協力する気持ちはありますか?」くらいにしてよ。
- 日ハムの新庄新監督にエールを 『単純に面白いんじゃないかな』
- 退任した栗山監督には? 『感謝しかないです。ゆっくりリラックスした時間を過ごしてほしい』
- 日ハムの新球場でやりたいと思うか? 『考えてないです』
- 広島・鈴木誠也がメジャー移籍すればどのくらいの活躍すると思うか 『まだ行くかもわからないし、数字も予想できません』
日ハムに関する質問が多いことも辟易とした。現在の大谷にとって日ハムは過去のチームで、プライオリティは高くない。どうしてそんな関心度の低いことばかり聞くかね。せめてマドン監督と比較とか質問を考えろよ。
- 大谷選手に敬意を示し、みんなで拍手しましょう(読売テレビのミヤネ屋)
- 異国の地で戦う中で一番お世話になった方は? 『一平さん』
唐突に場内に拍手を要求するバカ。社名だけでなく所属の番組名を言うところからして、そういう画を撮りたいという確信犯。案の定パラパラとわずかに拍手が聞こえるだけで、大谷選手も苦笑するのみ。お前は白鵬かよ。バカもここまで来ると見ているだけで恥ずかしくなる。私がその場にいれば「ここは正式な記者会見の場です。お酒でも飲んでいるんですか?騒ぎたいのなら周りを巻き込まず一人で外でやってください」と言ってやったろう。
質問も「一平さん」と答えるに決まっている低レベルなもの。誰か意外な人の名を言わせたそうだったが大谷は引っかからなかった。
誰も今年のプレーやエンゼルスについて質問しない
二刀流として歴史的なシーズンを送ったのだが、ほとんど今年のプレーについての質問が出ない。エンゼルスのことやチームメートのことも聞かない。ピッチングスタイルを変えたきっかけは?8月以降左方向へのホームランが出なくなった理由やそれを改善しようとはしなかったのかなどなど、今年1年大谷のプレーを追いかけていれば聞きたいことは山ほどあったはずだ。
あんな低レベルの質問しかできないのなら、オレがインタビューした方がよっぽどマシだ!
我田引水的な質問が多すぎる
北海道から来た記者は日ハムについての質問ばかりで、岩手の記者は花巻東高校に話を振る。日本のプロ野球を担当している記者は鈴木誠也や引退した松坂についてのコメントを求める。テレ朝のスポーツキャスターは「今年一年1番熱く盛り上がったのは何ですか?」と担当する番組の企画に沿う形で質問した(実際、報道ステーションはその記者の質問シーンを真っ先に流した。やっぱりこの画を撮ることが目的だったんだな)。
自分が子供向けの新聞を担当しているから子供へのメッセージをお願いしたいというのもあったし、心臓病の男の子について取材を重ねてきた記者も、寄付が集まったことについてどう感じるかと尋ねた。
結局の所、集まった記者はいかに自分の担当するネタや番組に大谷を絡ませて行くかが関心事だった。彼らの頭の中には自分の書きたいストーリーがあって、それに大谷がどう反応するかが聞きたかったのだ。大谷が何を考えて1年プレーしたのか、ファンが何を知りたいのかは二の次だった。
グダグダの理由は一社、一質問形式
このようなグダグダ会見になったのは、各記者のジャーナリストとしての意識が低いことが根底にあるが、直接的な理由は各社一度だけ、質問は一つにしたことだろう。どの記者も自分の取材や番組を抱えていて、質問が一つとなればいかに自分の担当の記事や番組に大谷を絡ませていくかに腐心するに決まっている。今回の大谷の会見は各社のエゴが丸出しで、このような形式の合同記者会見の限界をさらしたと言えよう。
大谷が各社ごとにインタビューに応じるというのはスケジュール的に難しいだろうから、今後もこのような合同方式にせざるを得ない。こんなみっともない記者会見を世界にさらさないようにするには、各社から事前に質問を提出してもらい、重複やふさわしくない質問は排除しておくしかないだろう。
唯一の救いは、やはり大谷だった
イチロー選手が引退時の会見でレベルの低い質問、同じようなことを繰り返して聞く記者にあきれて「お腹がすいたからやめましょう」と会見を打ち切ろうとしたのは有名な話だ。しかし大谷選手は嫌みや当てつけを言うこともなく、質問者をやりこめたり不快にさせることもなかった。どんな質問にも丁寧に答える大人の対応はさすがと言うしかなく、彼の高い規範意識と相手を思いやる人間性を改めて印象づけた。
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いつも更新を楽しみにしております。
おっしゃる通り、大谷のスマートさが唯一の救いでしたね。大谷でなければ、すぐにチャンネルを変えていた。それほどに程度の低い記者団でした。
アメリカにもおバカな質問をする記者は居るでしょうが、こうした正式な会見には来れないもしくは質問を自重するでしょう。
日本メディアの浅さは嘆かわしいですね。
日本のメディアとアメリカのメディアの違いは
大手新聞社が日本記者クラブ席を寡占していることと、尚且つ多くのスポーツ新聞が大手新聞社の傘下のために野球について専門的な質問する記者が少ないからだと思います。
MLBネットワークのような専門的チャンネルも無いので、いまだに『ご結婚はいつ?』だの、『お金の使い道』だのといった『ワイドショー向け』の質問した方が日本だと野球のことを知らない視聴者の方が受けがいいのも事実です。
「各社から事前に質問を提出してもらい、重複やふさわしくない質問は排除しておく」というのが一番良い方法だと思えるのですが、それでやると、自社の女子アナやレポーターが大谷に質問をして、それに大谷が答えるというシーンがカメラで撮れなくなるので、特にテレビ局は受け入れないでしょうね。となると、日本記者クラブではなく、外国人記者クラブで会見させることがベストですね。この程度の事もガイアツ頼みかあ・・・