ウォール・ストリート紙「ショーヘイ・オータニは依然として二刀流にこだわる」

スプリングトレーニングでの大谷選手の投打に渡る活躍を見て、米国内の二刀流への懐疑的な論調に変化が見られる。デビュー年の衝撃を大谷選手は取り戻せるだろうか?

アメリカの著名な経済紙であるウォール・ストリート・ジャーナル紙もスポーツ面で大谷選手の今年を占う記事を載せた。日本語訳を紹介したい。


Shohei Ohtani Still Wants to Be a Two-Way Player
ショーヘイ・オータニは依然として二刀流にこだわる

2021年シーズンはエンゼルスのスター、オータニにとって、非常に困難なメジャーでの二刀流をやれると証明するラストチャンスかもしれない

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2018年の2ヶ月間、ショーヘイ・オータニは信じられない可能性を見せた。エンゼルスで先発投手と一級のスラッガーを同時にやるという、過去100年で達成するどころか、ほとんど誰もトライしたこともない偉業をやってのけたのだ。

しかし夢のようなシナリオはあっというまに冷たい現実を突きつけられた。オータニは右ヒジの腱を痛めて手術を余儀なくされ、2019年はマウンドに立つことが出来なかった。打席からパワーと自信を奪ったヒザを手術するため、そのシーズンも予想外の早い終わりを迎えた。昨年オータニはローテーションへのカムバックを試みたが、右腕の故障でまたしてもわずか2イニングで彼の希望を奪い取った。

かくして2020年はオータニは投打で低迷する苦いシーズンとなった。175打数で打率 .190、OPS .657の打撃成績。1回2/3イニングで7失点、8与四球の投手成績だ。相次ぐケガはオータニ自身と二刀流の可能性を大きく損なうものとなった。

オータニはしばしば世界最高の才能を持つ野球選手と呼ばれるが、26歳になった彼にとって2021年は極めて重要な年になる。オータニは依然として二刀流を続行し、実際にそれは可能なことだと示そうとしている。でもチャンスはこれが最後かもしれない。

Creative Artists Agency社でオータニの代理人を務めるネズ・バレロ氏は「全ては予定通りに進んでいる。彼は両方ともやれる」と最近語っている。

昨年8月に登板が絶望となった後、もしこれ以上オータニがケガに苦しむようなら、エンゼルスは二刀流のどちらかを辞めさせる可能性があることをオータニも認識していたようだ。エンゼルスは間違いなくオータニを必要としている。世代で最高のプレーヤーであるスーパースターのマイク・トラウトを抱えながら、2009年以降プレーオフで1勝も出来ていないからだ。

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オータニはすでに打者としての価値は証明している。2018と2019の2年間で710打席で40ホーマーをかっ飛ばし、打率 .286、OPS .883を記録している。打撃面に加えて投手として貢献できればさらに価値が上がるが、出場できなければ絵に描いた餅だ。故障者リストの二刀流よりも試合に出てくれる一刀流の方がエンゼルスに大きなものをもたらす。

それを考えれば、昨夏オータニが「チームが投手か打者かどちらかにフォーカスしろと言えば聞く用意はある」と言ったのにも納得できる。現在、エンゼルスは依然としてオータニが二刀流をやることを認めているが、それは3年前に他チームを差し置いてオータニがエンゼルスと契約した時の約束でもある。

オータニは昨夏「可能性がある限り挑戦するつもりです。エンゼルスが私と契約したのも私が二刀流をやれると思っているからです。マウンドに戻り、二刀流をやるには健康を取り戻すことが必要です」と語っている。

エンゼルスによると、先月アリゾナ州テンピでのスプリングトレーニング中にジョー・マドン監督は「投手としてのオータニに制限はなしだ」と語ったというが、投球は最大のチャレンジだ。

2月末のブルペンセッションではオータニの投球はスピードガンで100マイルをマークしたが、これは2018年ア・リーグの新人王を取った時に7度記録して以来だ。その後マドンは「現在の所、オータニは調子がいいようで自信を持って投げている」と言った。

その自信は先週金曜日の試合でも現れたが、その日彼は2020年8月2日以来の登板を果たした。カクタス・リーグでのオークランド・アスレチックスとのゲームで1回2/3をオータニは投げ、1失点、全てのアウトを三振で奪った。予定では土曜日にシカゴ・ホワイトソックスとの試合に再びマウンドに上がる。

最初の登板を見る限り、不調だった2020年からの復活途上にあるように見える。2020年の最初の登板ではアウトを一つも取ることが出来ず、5点を献上した。2回目の登板では1回2/3イニングで5人を歩かせた。先日の登板は2018年の彼に近づいているように見えた。2018年は10試合に先発し、防御率 3.31、51回2/3イニングで63三振を奪った。

オータニ
「ここ数年、スプリングトレーニングでは毎年のようにリハビリにスケジュールを取られていました。今年はそんなことはなく、間違いなく楽しくプレーできています。ここ数年はリハビリばかりで楽しんで野球をやることがなかなかできませんでした」

この冬、オータニはエンゼルスと2年8.5ミリオンで契約を結んだが、オープン戦の打席では早くも印象的な打撃をしている。登板した試合の二日前、テンピ・ディアブロ・スタジアムではセンターのバックスクリーンを遙かに超えるホームランを打ち、その推定飛距離は468フィート(143m)で、2020年の全ホームランでそれより飛んだのは7本しかない。それこそエンゼルスがオータニを獲得した時に待ち望んだ姿だ。つまり打席とマウンドですさまじいパワーを発揮し、それが同じ週に起こる。

オータニによると2020年に打席でスイングメカニズムが悪かったのは前年に行ったヒザの手術から来る下半身の不安定さが原因だという。その問題はどうやら解決したようだ。

オータニの大ホームランを見たマドン監督
「あれこそ我々がいつもバッティング練習で見ている彼の姿なんだけどね。つまりバランスがよく、全体的な打席でのアプローチがよくなっている。オータニはあらゆる面でよくなっている。メンタル面もフィジカル面もいい状態にある」

最も重要な点を最後に挙げる。オータニの能力については異論はない。ベーブ・ルース以来、同じシーズンで50イニング投げて、15ホームラン打った選手はいないが、2018年のオータニはそれだった。

しかしオータニが日本から来て以来、彼に対する関心は、彼の肉体は毎日打者として出場しながら、フルタイムでピッチングするスケジュールの過酷さに耐えられるだろうかということだ。その疑問はもっともなことだ。それを証明すべくオータニの新しいシーズンが始まる。

オータニは先月「プレッシャーを感じるよりは、楽しく、体調よくプレーしたいし、チャンスが与えられた時に仕事が出来ればいい。監督が自分のことを最大限に使ってくれるといいと思います」と語った。

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