OC Register紙:外野はアップトンの復活とグッドウィン次第

ピーダーソン、ストリップリングの獲得は幻に!

先週、大きな期待をもたらしたドジャースとエンゼルスのトレードはご破算になった。

「レンフィーフォでピーダーソンとストリップリングを取るとはエプラーはどんな魔法を使ったのか?」と書いたのだが、やはりエプラーはエプラー、魔法使いでも何でもなかった。ドジャースは当初予定通りレッドソックスからベッツとプライスを迎えたので、エンゼルスとのトレードもそのまま実行されるのだろうという期待もあったがなぜかそのトレードは解消されてしまった。ドジャースは引き続き余剰戦力のピーダーソンとストリップリングのトレードは画策すると言われている。

一時の感情で独断するモレノはオーナーには向いていない

一部報道ではオーナーのモレノがトレード話が進展しないことに腹を立て、エンゼルス側から断ったと言われている。もしそれが事実ならとんでもないことだ。エプラーGMはその件についてはコメントを拒否したとのことなので、おそらく事実なのだろう(事実と異なるならば否定すればいいだけだから)。それまで地道に積み上げてきたことがトップの一喝で崩れ去る。野球以外の一般社会でもよくあることではあるが、そんな時、現場の社員はやってられないよな。

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モレノが短気で独裁の傾向があることはよく知られ、これまでも彼の鶴の一声でトレードが決まったり、選手やGMがクビになったことは枚挙にいとまがない。だがそれで上手く行った試しはほとんどなく、多くは失敗(ほとんどは大失敗)に終わっている。要はモレノは球団のオーナーには向いていないのだ。似たような人物はNBAなどにも多々いるが、成功例は聞いたことがない。

モレノの行った数々の独断人事はこちらに
バーノン・ウェルズ事件、ジョシュ・ハミルトン事件ほか

少しは自分の失敗から学べばいいのに、やはり生来の独裁者なのか死ぬまで治りそうもない。そんな強権を振りかざす王様の周りに集まるのはイエスマンばかりというのが相場で、モレノに物を言える人材がエンゼルスにいるとは思えない。モレノがオーナー権限をカサに現場にあれこれ口を出し続ける限り、いつまでたってもエンゼルスの強化は進まないのかもしれない。

さて地元紙OC Registerでは引き続きキャンプ直前のエンゼルスの戦力分析を行っている。第5回目は外野手についてだ。ペーダーソンの獲得が消えてしまい、ちょっとトーンダウンしてしまったがアップトンの復活、グッドウィンの定着、アデルの台頭などに期待したい。

ではOC Register紙の日本語訳を紹介しよう。


2020 Angels spring training preview: Outfielders

2020年エンゼルス・スプリング・トレーニング・プレビュー:外野手

エンゼルスは2月12日のスプリング・トレーニング初日に向かっているが、ロースターがどのように変わったのか分析してみたい。()はこの冬にどのようにして獲得したかを示している。今週は外野手についてだ。

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2019年まとめ

トラウトは打率.291、45本塁打、OPS 1.083を叩き出し、3度目のMVPを獲得した。マイク・トラウトはやはりマイク・トラウトだった。MVPは取ったがトラウトは足の痛みで1ヶ月間苦しみ、最終的には手術を決断しシーズン最後の3週間を欠場した。右翼のコール・カルフーンは確実な得点力を発揮し、2018年夏からの打撃改造が意味のあるものだったと証明した。カルフーンはキャリアハイの33本塁打を放ち、OPS .792だった。左翼のポジションはエンゼルスの弱点で、ジャスティン・アップトンはスプリングトレーニングの大部分をヒザのケガで欠場し、開幕前日にはつま先を痛めた。アップトンは6月まで復帰できず、出場した63試合も失望続きで、最後はヒザのケガで再び欠場してシーズン終了を迎えた。アップトン不在のおかげでブライアン・グッドウィンに出場チャンスが巡ってきて、彼は136試合で17本塁打、OPS .796という目を見張る活躍で応えた。

現状

2日前に人々が期待したものから現在は大きく変わってしまったようだ。でもそれは数週間前と同じになっただけである。ジョク・ピーダーソンがドジャースからエンゼルスに来るというディールは起こらなかったし、今後も全く起こりそうもないと報じられている。すなわちエンゼルスの外野はアップトン、トラウト、グッドウィンだということだ。特にメジャー最高の選手がセンターに、そしてレフトではアップトンが通常モードへの復活を目指しているので受け入れられる類いのものだろう。グッドウィンにとって2019年ほど多くのゲームに出て、いい成績をあげたのはキャリア初のことなので、彼がこの活躍を続けられるかは不確定だ。内野手のデヴィッド・フレッチャーは時々右翼を守るかもしれない。第4の外野手筆頭はおそらくマイケル・ハーモセヨだろう。

控え選手層

いくつかの格付けではメジャーでトップ5プロスペクトにランクしているジョー・アデルがすぐ後ろに控えている。4月で21歳になるアデルは開幕にライトのポジションにつく可能性もあるが、エンゼルスはとりあえず最初はAAAで開幕を迎えさせそうだ。昨シーズンの最後、アデルはAAAで27試合に出たが、OPS .676、ホームランなしと苦しんだ。AAAで大活躍を続けるか、上でケガ人がでればメジャーに呼ばれるだろう。ブランドン・マーシュはエンゼルスでは2番目のプロスペクトだがやはりAAAで開幕だろう。マーシュはアデルほど才能あふれるプロスペクトではないが、1歳年長な分だけメジャーには早く呼ばれるかもしれない。

今後の補強の可能性

エンゼルスがペーダーソンを獲得と聞いた時、外野は埋まったように見えた。今は改善の余地が生まれた。カム・メイビンかケビン・ピラーのようなFA選手を獲得するかもしれない。2人とも右打者だが、ピラーは特に左投手を得意にしているので、左打ちのグッドウィンとプラトーンを構成できるだろう。また2人とも、アップトンが32歳と加齢が進み、ヒザに故障も抱えて外野手として動きが鈍くなっているのでその守備固め要員にもなるだろう。

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2件のコメント

  1. 目を疑うようなニュースでした。
    ジェフ・フレッチャー記者によるとエプラー自身がそのことを示唆している声明をだしてるので、おそらくそうであると同時に、エプラーとモレノの関係も上手く行っておらず、エプラーは今年で契約満了になるんでしょう。モレノが現地で炎上してくれてることを願うばかりです。

    個人的にアデルは下で完全な結果をだすまで大切に育ててほしかったんでピーダーソンも捨てがたかったです。

    1. エプラーはヤンキースなどでも実績を積んでいるので、モレノが引き上げたリーギンス前々GMなどと違い、完全なイエスマンにはならないでしょう。優秀で他チームからも一目置かれる存在なので、エンゼルスのGM職にはさほど未練はないと思います。結局、どんなに優秀なGMでもモレノがオーナーでいる限り、結果を出すのは至難の業と思います。

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