レンフィーフォでピーダーソン、ストリップリングをトレード!
本稿の直前にエンゼルスとドジャースとの間でトレードが成立。
エンゼルスは控え内野手のレンフィーフォを放出する代わりに、昨年36ホームランの左の外野手ジョク・ペーダーソンと先発もできる右腕ロス・ストリップリングを獲得した(加えてプロスペクトの交換も含まれる)。
正直、レンフィーフォでワールドシリーズに2年連続で進出したチームのレギュラーを2人も取れるとは驚きだ。エプラーはどんな魔法を使ったのか?
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レンフィーフォ(22歳) 108試合 打率.238、7本塁打、33打点、OPS.685
ペーダーソン(27歳) 149試合 打率.249、36本塁打、74打点、OPS.876
ストリップリング(30歳) 32試合(先発15試合)4勝4敗、防御率3.51
昨年デビューしたばかりのレンフィーフォのOPSは.700以下なので、平均以下の打力しかないということだ。よほどドジャースにはレンフィーフォの将来が魅力的に映ったのだろう。
一方、エンゼルスでペーダーソンよりホームランを打ったのはトラウト(44本)だけだ。打率はやや物足りないがそれでもカルフーンより大幅戦力アップは間違いない。
また、エンゼルスの先発でストリップリングよりも防御率が良い投手はいなかった、と言うかエンゼルスの先発で防御率が4点以下は1人もいなかったのでこれまた大幅戦力アップだ。
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ペーダーソンは今年のオフにはFAになるので、契約延長しようとすれば大幅な年俸増は避けられないから割安だったのだろう。とにかくエプラーにしては大ヒットのトレードと言うべきだろう。
ドジャースはベッツ獲得で盤石になったのか?
ドジャースはベッツとプライスを獲得してワールドシリーズ大本命になったという声が多いが、ポストシーズン進出は間違いないとしても、ストリップリングとマエケン、大ブレークした柳もいなくなり、カーショウにも衰えが見られる。34歳で故障がちというプライスには多くは期待できないとすれば投手力は昨年よりもかなり劣化したと見るべきだろう。ベッツはMVPを取った2018年は打率 .346、32HR、OPS 1.078とスゴかったが、昨年は打率.295、OPS .915とだいぶ落ちたし、もしかするとこの2年はサイン盗みでかさ上げされた数字だったとすれば、リーグも変わった今年は大きく数字を落とすことも考えられる。皆が言うほど盤石な戦力とは思えない。ま、他チームのことなのでアレコレ言うのはこの位にしておこう。
さて、このトレードが明らかになる直前の記事になるが、地元紙OC Registerでは引き続きキャンプ直前のエンゼルスの戦力分析を行っている。第4回目は内野手についてだ。
ではOC Register紙の日本語訳を紹介しよう。
2020 Angels spring training preview: Infielders
2020年エンゼルス・スプリング・トレーニング・プレビュー:内野手
エンゼルスは2月12日のスプリング・トレーニング初日に向かっているが、ロースターがどのように変わったのか分析してみたい。()はこの冬にどのようにして獲得したかを示している。今週は内野手についてだ。
2019年まとめ
エンゼルスの内野陣は昨シーズン、どちらかと言うと悪い方向に行ってしまった。その大きな理由はケガにまみれたショートストップ、アンドレルトン・シモンズの不振によるものだった。シモンズは守備ではいつも通りの素晴らしさを見せたが、2度に渡る足首のケガのため103試合しか出場できず、打率.264、OPS .673はエンゼルス移籍後最低の数字だった。
アルバート・プーホルスは体調的には良好で39歳にしてシーズンを通して稼働した・・・彼の成績は年齢相応のものだった。プーホルスの打率.244、OPS .734は一塁手としては平均以下だ。彼が健康でいることはエンゼルスの内野にとって最大のプラスだったはずだが、それが逆にマイナスとなってしまった。
トミー・ラ・ステラはどこからともなくやってきてオールスターにも選ばれたが、足を骨折してシーズン後半のほとんどを棒に振ってしまった。デヴィッド・フレッチャーはセカンドとサードを兼任しながら躍進を続け、打率.290、OPS .734にまで引き上げ、複数のポジションで堅固なディフェンス力を発揮した。デビューを飾ったルイス・レンフィーフォは将来性を垣間見せた。
総合的に見て、エンゼルスの内野は4つのポジション全てで攻撃力は平均以下だった。
現状
4つのポジションで最大の問題は三塁で、メジャーで最低のOPSしか残せなかった。エンゼルスはアンソニー・レンドーン(ナショナルズからFA)と7年総額245ミリオンで契約し、長年の穴をようやく埋めることが出来たように見える。近年エンゼルスの穴だった三塁にナショナルリーグのMVP投票で3位に入ったレンドーンが入れば、攻守にわたって大きく貢献するだろう。レンドーンが三塁、ショートに健康に戻ったシモンズが座れば、フレッチャー、ラ・ステラ、レンフィーフォが出場機会を求めて二塁を争うことになる。これは彼らにとって大きなチャンスとなるだろう。
ラ・ステラは時々一塁も守るかもしれない。と言うのも今年プーホルスが一塁をずっと守るとは思えないからだ。今年はショーヘイ・オータニが投球日程との絡みでDHでの出場が減りそうなので、プーホルスがDHを打つことが増えそうだ。ラ・ステラは一塁を守ったことはほとんどないが、どのくらい一塁で出場するのか、ジャレッド・ウォルシュやマット・タイスをどのくらい使うのかまだわからない。今シーズンからメジャー登録が26人に増えたことでエンゼルスは内野手をさらに一人増やせる。
控え選手層
タイスかウォルシュはマイナーで開幕するだろうが、誰かが不振になったり、プーホルスがケガをした時のための交代要員になるだろう。レンフィーフォはメジャーで十分な出場時間を与えられない場合はやはりマイナーで開幕を迎えさせるかもしれない。ホセ・オハス、ジャーマイ・ジョーンズもAAAの内野でプレーすることになりそうだが、必要とあればいつでも呼べる。その後に控えるインパクトある内野手はClass-Aかそれよりさらに下のリーグの選手となりそうだ。ショートのジェレミア・ジャクソン、カイレン・パリス、アロール・ヴェラらはエンゼルスのトッププロスペクトだが、フルシーズンを戦ったことが一度もない。
今後の補強の可能性
他チームからメジャーのロースターに入れる選手をさらに獲得する必要には迫られていないが、ビリー・エプラーGMは大きな決断をしなくてはならないことがある。シモンズとの延長契約にサインするだろうか?2020年シーズン終了後には彼はフリーエージェントになる。その頃にはシモンズは31歳になっているが、それは多くのショートストップがポジションを譲る時期に近づく年齢だ。そうは言っても、シモンズはオマー・ビスケル、バリー・ラーキン、デレク・ジーターのように例外的な年の重ね方をするだろうか?昨年の打撃不振は単にケガによる一時的なものだろうか?2021年はフレッチャーかレンフィーフォがショートのポジションを取るだろうか?これらは全てシモンズの契約を考える要因となる。エンゼルスはシーズン前に答えを出すかもしれない。
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英語が読めないので現地の記事を翻訳してくれるのはとても助かります!
不必要なレンジフォーとプロスペクトでピーダーソンとストリップリングがとれるとはびっくりですね。
大型トレードのどさくさに紛れていい補強をしましたね。
ですねー。エプラーGMの魔法ですかね。
去年のロートル三人衆の契約が酷かったからそれに比べるとより一層素晴らしいトレードに見える
おっしゃるとおりです。思ったようなエース級の先発は取れませんでしたが、それでも今年のトレードは効果的なのが多いと思いますね。