前半戦を終えたエンゼルス。ここまで49勝48敗とわずかに貯金1で、ア・リーグ西地区の4位、ワイルドカード・レースからは9ゲーム差と離れてしまった。最初の2週間で貯金10を作ったことを考えれば、あとは沈みっぱなしに近かった。
そこで前半戦のエンゼルスの戦いぶりを振り返ってみたい。1回目は攻撃面だ。
下にエンゼルスのスタメンと控えの打撃成績を上げた。私が特に重要と思うのはOPSだが、これは出塁率+長打率で計算される。OPSは単純に言うとバッターの恐ろしさを表した数字だと思えば良い。これが.700を下回ると怖くない打者、1.000を上回ると極めて危険な打者となる。
エンゼルス用語集: OPS
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- カルフーン (打率 .187、本塁打9、OPS .556)
- シモンズ (打率 .313、本塁打6、OPS .813)
- トラウト (打率 .310、本塁打25、OPS 1.060)
- アップトン (打率 .251、本塁打19、OPS .788)
- プーホルス (打率 .251、本塁打16、OPS .723)
- 大谷 (打率 .283、本塁打7、OPS .887)
- キンスラー (打率 .219、本塁打11、OPS .647)
- コザート (打率 .219、本塁打5、OPS .658、左肩手術で今季絶望)
- マルドナド (打率 .234、本塁打5、OPS .646)
- フレッチャー (打率 .250、本塁打1、OPS .639)
- バルブエナ (打率 .204、本塁打9、OPS .594)
- マルテ (打率 .245、本塁打4、OPS .724)
- ヤング (打率 .168、本塁打6、OPS .615)
トラウト以外に怖いバッターがいない
エンゼルスのOPSからわかることは、トラウトが傑出して高い以外は、あまり怖い打者がいないということだ。次いで警戒すべきはシモンズ、大谷、アップトンくらいだ。少なくともトラウトの後を打つ打者はOPS.800は欲しいところだ。やはり大谷がトラウトの後を打つのが理想かもしれない。
一方で下位打線や控えは7割を下回る打者が並び、ほとんど安パイぞろいと言って良い。
宝の持ち腐れ状態のトラウト
また、次のデータはメジャーで、ランナーなしでの打席数が多い選手のランキングだ。トラウトは8位で261打席がランナーなしだった(全打席の61%)。注目点はトラウトより上位の7人の選手は全員1番バッターということだ。1番打者は第1打席は100%ランナーがいないので、そういう打席が増えるのは当たり前。つまりエンゼルスはトラウトの前にバッターを出すことが出来ていないという証拠である。

ランナーを出せなかった大きな理由はリードオフマンを務めたカルフーン、コザート、キンスラーらのスランプだ。特にカルフーンはオープン戦では打率4割超と打ちまくったのだが、開幕と同時に大スランプに陥り、5月末には打率.145、OPS .374とメジャーの野手としては圧倒的な最下位にまで落ちて、ついにはDL入りしてしまった(実質マイナー調整)。むしろこれほど絶不調なのに5月末まで使い続けたのが失敗とも言える。ソーシアはもっと早く対策すべきだった。
うまくいかなかった補強
2017年は1塁、2塁、3塁を守った選手の打撃の低調さが深刻で、内野手の打撃向上はエンゼルスの補強ポイントだった。そこで今シーズン、大谷をDHに入れることでプーホルスを本来の1塁に戻し、キンスラー、コザートら内野陣を補強した。
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ところがキンスラー(打率.219、OPS .647)、コザート(打率 .219、OPS .658)は攻撃面ではほとんど貢献できなかった。キンスラーは2006年のデビュー以来OPSが.700を下回ったことはなく、コザートは昨年はOPS .933だったことを考えると両者の落ち込みは厳しい。
プーホルスの打率 .251、本塁打16、OPS .723という数字は到底年俸に見合うものではなく、ついに新人以来の5番に降格した。
メジャーで最も高齢のチーム
エンゼルスのバッターの平均年齢はメジャーで最高の30.6歳である。38歳のプーホルスを筆頭に、36歳のキンスラー、32歳のバルブエナ、コザートなどピークを過ぎたと思われる選手がいまだに中心にいる。FAで高齢の選手と取り過ぎていること、若い選手を育てていないことがチームに重くのしかかかっている。
逆にメジャーで若いチームはパイレーツ(26.3歳)、ホワイトソックス(26.6歳)、ヤンキース(27歳)である。パイレーツ、ホワイトソックスは再建中のチームなので当然だが、ヤンキースがこの若さで再建を完了し、トップチームを作り上げていることは驚異的だ。ヤンキース出身のビリー・エプラーGMには再建の期待がかかる。
総本塁打数はメジャー4位なのに・・・
総本塁打数はメジャーで4位の130本。一方で総安打数はメジャー平均(810本)以下の805本(16位)、総四球数はほぼメジャー平均(315個)の316個(15位)、総得点は丁度メジャー平均の425得点である。また送りバントはわずか4度でメジャー26位の少なさである。
ここから浮かび上がってくるエンゼルスの攻撃スタイルは、ホームランは多いが、塁に出るランナーは多くないのでホームランの割に点数が入らない。また送りバントなどはせず、基本的にバッター任せの強攻策といったところだ。
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