辛口寸評:エンゼルスにとっていい一日。9回のドタバタを除けば

オリオールズとの3連戦の第2戦、球場へ観戦に行ってきた。

大谷選手を見たくて行ったここ3試合で、(1)投手として1イニング見ただけ(2回で降板。しかも1回は混雑のため入場に時間がかかって見逃した)、(2)打者として左投手のため先発を見送られ、(3)足首捻挫のため出場せず、とほとんど見ることが出来ていない。「5番DHで出場」という確報が出てからチケットを確保した。

今日は平日の人気薄のカードで、ギブアウェイもなく、防寒がいる肌寒い日で客足は鈍かった。インターネットのチケットサイトではチケットは1ドルから叩き売られている。幸い試合開始1時間半前にStubHubで1階3塁側209ブロックC列(定価45ドル)を、手数料込み20ドルでゲットできた。

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209ブロックC列より

試合前に大谷選手がア・リーグの月間最優秀新人に選ばれたとアナウンスされた。日本人としては2012年4月のダルビッシュ以来のこと。しかしネットでは(日刊スポーツ)「月間MVP獲得」と大誤報が駆け巡っていた。月間新人MVPと月間MVPでは全く価値が違う。ちゃんと取材/校閲をして欲しい。

エンゼルスの先発は左腕ヒーニー。トミー・ジョンからの復活をかける投手の1人だ。初回に3塁打と犠牲フライで1点を失ったが、その後はテンポよく6回まで5安打無失点で抑えた。

打線は1回裏、トラウトとプホルスのホームランでたちまち逆転。このトラウトのホームラン、レフトのブルペンを遥かに超える超特大の1発。飛距離は159.7メートルで、2015年にアメリカの全ての球場でStatcast(脚注1)が導入されて以来、従来の記録(2016年ジャンカルロ・スタントンの153.6メートル)を大きく更新する最長ホームランだった

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プホルスは5回の第3打席もツーベースを放って通算2998安打。しかも今日はいつになく打撃の内容がいい。もしかしたら今日中に3000本安打達成か?と場内に期待が湧き上がった。だが6回裏の第4打席がセンターフライに終わり、さすがに今日の達成はなくなった。明日、何とか2本打ってホームで達成してもらいたいものだ。

今日の大谷は当たりはイイが飛んだコースが悪くノーヒットに終わった。と言うかエンゼルス打線でもっともバットの芯でボールを捉えていたのは大谷だ。先週から見ているとタイミングを外された時以外はほとんど芯で捉えている。あと少し打球に角度がつけばホームランを量産できるだろう。昨今のフライボール革命(脚注2)を取り入れて、もっとフライを打てるように取り組んでもらいたい。そうすれば二刀流を続けながらでも40本ホームランを打てる能力があると思う。

4回裏、エラーで出塁した大谷はシモンズのレフト線のツーベースで一気にホームイン。捻挫の影響を感じさせない力強い走塁。足も速いし、盗塁とかももっとできそうなんだがな。

エンゼルスは6回までに9点を奪い、ほぼ勝利を確定づけた。しかしここでまたソーシアの悪いクセが出る。6回88球でヒーニーを引っ込めて早めの継投へ。しかし点差、球数、調子から言ってあと1イニングは投げさせるべきだと思った。3イニングを継投で行くか、2イニングにするかは大きな違いだ。

7、8回をしのいで、9回で8点差、勝利は確実とばかりに先週メジャーに上げたパラデスをマウンドに上げた。このパラデス、23歳とは思えないほどデッぷり太っているが、昨年から何度も炎上しているダメダメ投手だ。案の定四球をはさんで4連打を浴びてあっと言う間に4点を返され、まだノーアウト。さらに犠牲フライを打たれ3点差。チェンジアップが得意らしいが、端から見ている限り、直球とあまり速度差が感じられず簡単に合わせられそうな球だ。

たまらずソーシア、ジョンソンにスイッチ。ジョンソンもヒットを打たれ8点差もあったのが1発が出ると1点差という状況まで追いつかれる。幸い、ジョンソンは3番マチャド、4番ジョーンズという中軸を打ち取り10-7で勝利を収めた。

昨日もそうだったが、先発をあと1イニング引っ張れば、楽勝で逃げ切れていた試合をドタバタの接戦にしてしまう。ジョンソンも9回が始まる前はまさか自分が投げるとは想像もしていなかったに違いない。こういうことの繰り返しがブルペンを疲弊させ、そのうち痛い逆転負けを何度も喫してしまうに違いない。

打線ではカルフーン、コザート、キンスラーの調子がなかなか上がってこないので、トラウトの前にランナーを貯められない。カルフーンは8回にいい当たりのレフトライナーを放ったので、ちょっといい感じかもしれない。アップトンは5回にホームランを放ち、ここまで45打数5安打という長いトンネルをようやく抜けそうだ。

大谷の月間最優秀新人のニュースから始まり、打撃陣が復調の兆し。ヒーニーはナイスピッチング。パラデスを除けばエンゼルスにとってはいい一日だった。

(脚注1)Statcast
軍事技術の追尾レーダーを利用した測定方法で、レーダーと複数の高精細カメラによって打球の初速や角度、飛距離、投球の球速、回転数などが正確に測定できるようになった。走塁や守備のデータも測定可能。ホームランは従来は「推定飛距離」だったものが、ほぼ10センチ単位で測定できるようになった。2014年に試験的に導入され、2015年には全球場で導入された。

(脚注2)フライボール革命
アストロズは上記のStatcast導入後、数学者や物理学者まで採用して打球のデータを細かく分析した結果、初速が時速158km以上、角度が25~35度で打ち上げられた打球は8割がヒットになり、その半分はホームランになるということを発見した。逆にゴロを打ってはランニングホームラン以外、100%ホームランになることはない。そこでアストロズではボールの下側を意識的にヒットしてフライを打つように指導してきた。
アメリカでも日本でもほとんどの野球選手は子供の頃から「フライを打つな、ゴロやライナーを打て」という指導で育ってきているので正に真逆の発想だが、その結果メジャーでは飛躍的にホームラン数が増え、どこからでも本塁打が飛び出すアストロズは世界一になった。

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