LA Times紙:キャンプ初日の大谷の詳報をトップで伝える

現地2月15日、エンゼルスの投手陣のスプリング・トレーニングが始まったことを受け、各紙がいっせいにキャンプ情報を掲載し始めた。何と言っても話題の中心は大谷である。LA Times紙は同紙の主席スポーツコラムニストであるビル・プラシュク氏が一面トップで取材初日の様子を取り上げている。日本語訳を紹介したい。


He’s keeping it real

(オータニは実現し続けている)

Ohtani unfazed by the hullabaloo surrounding his historic debut with Angels

(エンゼルスでの歴史的なデビューの日、オータニは周囲の喧噪に動じなかった)

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小雨が降り、霧雨がかかった日、神秘的なエンゼルスの選手が到着した。

彼が動くたびにくっついて行くメディアの大群の音は天使の聖歌隊のようだった。オータニの一挙手一投足ごとに鳴る無数のカメラのフラッシュ音は神秘的な音にすら聞こえた。

その神秘的なエンゼルスの選手は一時の平穏も訪れなかったが、自分の世界にいるように見えた。

ものすごい期待を受けた水曜日のスプリング・トレーニングの初日、ショーヘイ・オータニは「このグラウンドに立てたことに単純に興奮している」と話した。

ボールがシュッという音を立ててキャッチボールをした。バッティング練習ではバシッという音を立ててスイングした。マウンドでは守備練習をした。ケージから7本のホームランを放った。

彼はいろいろな所に現れ、ほぼ全員の注目を浴びた。50人以上はいたであろう、エンゼルスのメンバーとメディア、駐車場の傘の下に集まった、一目だけでも見ようとする熱狂的なファンもいた。

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まるでオータニがベーブ・ルースになったかのようだ。実際、一部の面ではその通りなのだが。

水曜日は、今シーズン最も注目を集めるメジャーリーガー、日本から来た23歳の天才が初めてビッグ・リーグで公式に動き出した日で、彼は100年前にベーブ・ルースがやめてしまって以来初めての二刀流選手なのだ。

オータニは100マイルの球を投げ、1シーズンに22本のホームランを日本ハムファイターズで打った。この冬、彼はエンゼルスと契約してきらびやかな世界へ漕ぎ出し、世界の野球界に衝撃を与えた。エンゼルスでは6日ごとに登板させ、その間DHとして起用する予定だ。

タイラー・スカッグス投手「これまでも騒動はあったけど、今回はケタが違う」

オータニは野球以上のものを変えた。日本の桁違いのアスリートがアメリカでも最も伝統的なスポーツと力を合わせ、インターネットを破壊した。彼が破壊したファンタジー・ベースボールは彼の二刀流に対応するために設定を変えなくてはならなかった。

Expectations high for Ohtani

(オータニへの高い期待)

エンゼルスの選手ですら、彼を間近に見て少なからずショックを受けたようだ。

キャッチャーのレネ・リベラはオータニとバッティング練習をして、「彼が実際にプレーするところを本当に見てみたかったんだ」と話した。「やっと見ることができたよ・・・彼は特別だ」

実際に見ると、彼の6フィート4インチの体は隅から隅まで23歳よりもずっと若く見える。実際に、一人の選手に信じられないほど多くのメディアが追っかけている様は、メディアがまるで想像上の生き物を見つけたかのようだ。

この一週間、毎朝オータニの到着をカメラに収めようと、1ダース以上の日本のメディアがスタジアムの外の駐車場で待ち構えていた。それが済むと、今度は彼がフィールドに入るのを待とうと、クラブハウスの外に大移動した。

クラブハウスの中では、オータニはロッカーに今週初めて自分の荷物を収納したが、日本のメディアは節度を持って、ロッカールームの反対側に集まって、彼を見守るだけにとどめた。

トーキョー・スポーツ・プレスでオータニを担当するジュンイチ・イトウが通訳に語ったところでは、自分とそのスタッフはここで歴史を記録しているのだと言う。

ジュンイチ・イトウ「彼は今まで誰もやったことがないことをやろうとしている。たとえて言えば、誰も歩いたことがない道を行こうとしているんだ」

例年のんびりとしたエンゼルスのキャンプに非現実的なほどの躍動をもたらしているものはこの期待感である。オータニが行くところ、カメラのフラッシュ音と非常に大勢の人の足音が響く。最初のケージ・バッティングで特大のホームランを打つと、叫び声が沸いた。さらにもう一本打つと、今度はチームメート達がハイファイブの手を叩く音になった。

オータニは水曜日の最初の練習が終わると、近くのホテルの会議場で行われた第1回のニュース・カンファレンスに連れ出された。というのもエンゼルスの球場はとても古く、100人を超える報道陣を収容するような場所はないからだ。

彼はあまり語らず、本心も見せなかったが、よく笑った。フレンドリーで、周りに影響を受けない人間という自分のイメージを保った。しかし、あまりに大きな期待をされることの危うさについては気づいている。

質問で、これまで運転免許証もなく、球団の寮で5年間のプロ生活を過ごした後で、自分自身で生活していくことへどのようにアジャストするのか尋ねられた時、予想外の感想を述べた。

オータニ「私の部屋は本当に大きい。3ベッドのアパートなんだけど、そんな広い部屋では少々寂しい思いをしている」

このコメントを聞いた時、彼はまだ23歳で、近代では誰もやっていないことにトライしようとしていることを思い出した。みんながブレーキをかけるべきなんだろう。

ほとんどの新人投手と同じく、彼ももがくことがあるかもしれない。多くの新人打者と同じく、奮闘するかもしれない。これらのことは同時に起きるかもしれないし、それが当たり前なのかもしれない。しかし集中して、一挙手一投足の揚げ足を取られるかもしれない。

ジュンイチ・イトウ「ここでオータニがどのように扱われるのか少々心配している。もし彼が二刀流の道を行けば、MVPのバッターにも、サイヤングのピッチャーにもなれないだろう。人々がどのように彼を扱うかによって、彼の成否が決まるのかもしれない」

2016年の日ハムで、オータニは10勝4敗、防御率1.86、325打数で打率.322を残した。確かに彼は二刀流をやった。しかし、全く異なるリーグで、何が起きるか誰もわからない。

今のところハッキリしているのは、第一に、エンゼルスは珍しい6人ローテーションの一角として、オータニをピッチャーとして使いたい。ヒッティングはその次だろう。守備にもつかないだろう。

マイク・ソーシア監督「彼のピッチングがチームに必要だ。ほとんどの場合ピッチャーとして登場することになるだろう。しかしそれはオフェンス面で彼が違いを生み出すチャンスがないと言っているわけではない」

第二に、エンゼルスは辛抱強く彼を見守ってくれる。それがオータニがエンゼルスと契約した理由の一つだろう。

ソーシア監督「彼はまだ発展途上だ。プレーが進化するにつれ成長が必要な点まだまだ出てくる。投球時のスタミナもその一つだろうし、リーグに慣れる、賢い打者になることもそうだろう。やることは山ほどある。彼はまだ若い」

そうか、この春のトレーニングの最初の何日か、彼は自分がリラックスできたと認めたのも若いから?おっと・・・

オータニ「チームメートとゴルフもしたし、バスケットボールも結構やって、今のところとても良い時間を過ごせている」

プレッシャーについて聞かれると・・・オータニはまた笑った。

オータニ「日本にいた時から、周りの人が言うようなプレッシャーと言うものを感じたことがない。グラウンドに出て、自分の仕事をするだけです」

彼の仕事は水曜日に公式に始まったのだが、この神秘的なエンゼルスの男は、雨と霧と大群衆の中を進み、ニュース・カンファレンスを丁寧なお辞儀で締めくくった。水曜日に7本のホームランを打った男は、木曜日、最初の一球を投げる。早く行かなくちゃ。

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